★ニッケルチタンファイル(以下Ni-Tiと記載)
- 弾力に富むため湾曲根管の治療に適し、また根管の追従性に優れるためエンジンにつなぐ事で電動式の根管治療を可能にした。このエンジンとNiTiファイルを使う根管治療はアメリカでは広く普及し、8割の歯科医師がすでに治療に導入しているとされる。現在日本では2割程度の普及率とされるが今後の普及が見込まれている。
- 従来の手技で用いる。従来のステンレス製ファイルでは完全な根管治療が難しかった湾曲根管の治療を容易にした。また前歯部などの根管はもともと若干カーブをしており、ステンレス製のファイルで拡大を行った場合一度ステップを形成してしまうと根尖部までの治療が難しかったが、NiTiファイルは追従性に優れるためステップを形成するリスクは低い。
- 根管形成とは?
根管治療は歯の中の歯髄組織や起因物質をしっかり除去し無菌化することが目的である。適切に根管内の汚染物質を除去するには最終的には様々な薬液やインスツルメントを使用し、根管内全体をよく洗浄する必要があります。もともとの歯髄腔は狭く複雑なため薬液を充満させて洗浄できないので歯髄空を拡げる必要があります。
根管を拡げることを根管形成拡大と言います。
根管形成拡大の手順には大きく2つあります。
1つ目は、根管上部から根尖を穿通させることです。根の先まで穿通させなければ薬液は根尖まで満たされません。歯によっては根管が細く彎曲していたり側枝が存在し形が複雑なことが多々あります。穿通できるまでいかに正確かつ丁寧にそしてスピィーディーにできるかが歯科医師のレベルの差であり歯の永続性に直結します。
2つ目は、穿通させた根管内の幅を拡げ感染源を除去することです。このことで薬液を適切に充満させながら根管治療を行えます。クオリティ高く、そしてスピーディーにこの作業を行うにはニッケルチタンファイルは必須です。
- 根管治療におけるファイルとは?
根管内の歯髄組織の残骸や感染物質を取り除くためにISO規格され根管治療において非常に重要なインスツルメントです。。大別すると手用ステンレスファイル、ニッケルチタンファイルに分類されます。
烏山通り歯科精密根管治療におきましてはNi-Tiとステンレスファイルのハイブリッド方式を用い安全かつ適切な手順で根管形成を行います。
⑴手用ファイル
根尖まで穿通させるためのファーストステップとしてステンレスファイルを使用します。
烏山通り歯科精密根管治療においては02テーパーのステンレスファイルを用い、手指の感覚と電気的根管長測定器により慎重に根管の長さや形態をネゴシエーションしながら把握します。#08~15ファイルを制することを大切に行なっております。
⑵ニッケルチタンファイル
手用ファイルは歯の根まで穿通させるにはとても有効ではあります。
次のステップである根管形成拡大を適切に行うのであればNi-Tiファイルを使用します。
私はステンレスファイルのみで根管形成することを大学教育として学びました。しかし3次元的に複雑な歯根に対してステンレス製の硬い手用ファイルのみで根管形成してしまうことはレッジやトランスポーテーションを招き、元々の根管形態を大きく変化させてしまい難治性の感染根管になることが予想されます。
烏山通り歯科精密根管治療におきましては柔軟性があり追従性の高いニッケルチタンファイルを使用し適切な使用方法を厳守しナチュラルな根管形態を維持するジェントリーな施術を行います。